総長からの「愛してる」Ⅱ
階段に身を隠すようにして、その男は立っていた。
「き、ら……」
「そんなに身構えなくても、俺はまだお前に何もしねえっつうの。」
吉良はふー、とため息を吐くと、私の横に座り込んだ。
吉良は口調に似合わず、派手なことを好まない。
「こうやって話すのも、久しぶりだな。」
「そう、だね。」
吉良はこう見えて、人の心を開くのが上手い。
自分から親身になってくれるから、話しやすい人。
「………正直に話してもいいか?」
それは、私にも正直に話せ、ということだろうか。
「………うん。」
私の返事に、吉良は切なげに笑った。