総長からの「愛してる」Ⅱ



多分だけど……



龍嵐の中で俺はかなりの特殊だと思う。




俺は別に龍嵐に執着心なんて無いし、そもそも龍嵐に入った理由さえ特にない。




俺にとっての龍嵐は、ただの箱。



俺という中身が生かされている、一つの箱。



ただ、箱の中身は空っぽだ。





「………死にたい。」




何年もそう思ってるくせに、結局俺はまだ生きている。



“生” への執着はない。


ただ、死ぬこともできない。




俺は、そういう人間だ。





言い訳すら思いつかず、流されて生きている。



死んでないから、生きている。




俺の人生、終わりは見えないけど……道も見えない。




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