総長からの「愛してる」Ⅱ



「廉はやっぱ優しいからな。
捨てろっつたんだけどな。」




海斗が料理本の表紙カバーを外す。



……出てきたのは、全く別のファッション雑誌だった。



海斗はそれを投げ、キャッチした私は表紙を読む。




“ファッションモデルの宇美、子どもと一緒に親子ショット”



中を広げて見れば、私の知っていた一宮宇美と幼い小学生くらいの男の子の写真が載っていた。



『これ………海斗?』



「ああ。」




確かに今の海斗と男の子は面影が無くもないけど……


やっぱり男の子と一宮宇美は似てない。




『全く似てないね』



「似たくもないけどな。」



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