総長からの「愛してる」Ⅱ
「目が覚めたかい?」
ドアが開くと同時に、二度と聞きたくなかった声が聞こえた。
それと同時に、体が恐怖で満たされる。
あの日と同じだ。
私が鳳凰の姫としてでなく、一人の女として拐われた日。
「あれ?もしかして震えちゃってんの?
あー、もしかしてトラウマになっちゃった?俺に拐われること。」
嫌。嫌。
この人だけは嫌だ。
何があってもこの人には、体が恐怖しか覚えていない。
「久しぶり、アイ。」
「九識、敦…………。」
体が異常なほどガタガタと震える。
呼吸が上手くできない。