総長からの「愛してる」Ⅱ



俺はもう、お前の涙を拭いてやれない。



お前の泣き顔を笑顔にさせることもできねぇ。



なにより、そんな綺麗な涙を、俺が見ていいはずがねぇ。




「お前が俺に忘れるなと言ったから、俺は美愛を愛したこの日々は絶対忘れねぇ。


けど、美愛。

お前は忘れろ。


今日までの日々、愛し合ったこと、お前が俺を救ったことも。



俺が覚えているから、お前は全てなかったことにしろ。」




今日までの日々を忘れれば、きっと前へと歩き出せる。



責任なんて感じずに、お前は黙って前へ進め。




「俺にはもう、お前の涙は拭えない。」



泣くな美愛。


どうか幸せに。



美愛が俺といて幸せになれないのなら、俺は見守る愛を選びたい。




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