総長からの「愛してる」Ⅱ





「廉也、私も愛してる。」






私が言った途端、廉也の表情が驚きに変わる。



しばらく固まっていた廉也が、大好きな優しい笑顔を見せる。




「声、出たな。」




言われて初めて気付いた。



そうだ、私今声に出してた。




「廉也…廉也……廉也っ」



「ん?」



「昨日呼べなかったから、呼んだの。」




廉也は可愛すぎ、と抱きしめてくれた。



私も廉也の背中に手を回す。




「今、幸せか?」


「うん。」




不安や悲しみが消えたわけじゃない。



でも、この満ち足りた気持ちは “幸せ” 以外の何物でもない。




< 64 / 427 >

この作品をシェア

pagetop