シュガーメロディ~冷たいキミへ~

「え、わり、もしかして遅れた?」


「ううん?あたしたちが早かっただけ」



俺と友哉が慌てて合流すると、吉倉がにっこり笑ってそう言った。


……なんだか今日は吉倉の機嫌がいい。



「ねっ、梨音。皆でご飯食べて、美味しかったよね」


吉倉が、彼女の隣にいた雪岡にそう声をかけると、雪岡は嬉しそうに「うん」と笑った。


……あくまで、その笑顔が向けられている先は吉倉だけど。



「……え?皆でご飯?」


友哉が訊き返すと、同じ買い出し班の坂井が会話に入ってきた。


「そ!おまえら休憩になったらさっさとどっか行っちまっただろ?だから誘うの諦めたけど、他のメンバーで近くのファミレスで昼飯済ませてきたの!」


「はああ!? 電話しろよ、そういうときは!ケータイっつーもんがあるだろ?」


「あー、そうだったな?」


友哉の言葉にもしれっとした様子の坂井。


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