素晴らしき今日
感情
次の日。一時間目が始まる前から疲れた
学校では数人に昨日の出来事を聞かれて全て同じ答えで返した。
それぞれの反応は「良かったね」「一人で頑張れよ」「なぁんだ」など十人十色のものだった。

後、何人来るかはわからないので、机に伏せて誰からも声をかけられないような体勢を作った。

「みんな~おっはよー」
毎度毎度大きな声で入ってくる関西弁の男。
今日は一段と大きく思わず顔をあげた。
「おー和也ー。昨日どないやった?」
その男は真っ先にこっちに向かってきた。
「何?昨日メールしたじゃん」
「いやいや。あれだけじゃ少ないって。しかもブチッたやろー。詳細教えてーな」
「メンドイ。つーか、何でそんなにテンション高いの?」
「聞きたいかー?」
「別に」
「教えたるわ。特別に」
輝く瞳を合わせてくる。自分の黒目の奥に入ってきそうだった。
それだからなのか、人の話は聞かないようだ。
「あんなー」と人差し指を挙げたところで担任が入って来た。
「また、後で聞いてやるよ」と、体を強引に押した。



「はい。俺の話聞いてや」
すぐに帰ってきた純。返事をする前に話し始めた。
「今日な朝練行ってんか。ほんならな、なんとバトミントン部が横で朝練。すごない?」
と、話お切ったがすぐに再会。答えは求めていないようだ。
「んでな、シャトルが俺んとこに飛んできてん。やし、拾ってあげてんか。優しいやろ俺?」
話は切れたが答える気はなかった。
「そんで渡したあげてんか。その相手がなんと…」
次はタメを作った。正直長い。
「可愛い子だった」
「何でわかったんー?オチゆーなや」
「それで?」
「あれ?無視?まぁええわ。けどなその子知らんねん。何組やろー?それか一個上かなぁ?」
「まー一人で盛り上がってくれ。今日はそっこー移動教室だから遅れんなよ」
教科書やらを持って、幸せそうな男を一人教室に置いて出た。



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