体操座りと救世主

すると、メイドさんがどこからか紙芝居を取り出した。

「昔々、あるところに、龍がおりました。」

「あ、はい。」

急に始まったからびっくりした。よくわからないが聞いてみる。

「龍は大人しく、何の悪さもせず、人懐こい。だから村人も龍を受け入れていました。」

紙芝居には、よく物語で出てくる緑色の龍が描かれている。

「しかし、ある時から、龍は暴れるようになりました。火を噴き村人の家を焼いたり、暴走して人を傷つけたり。それを見かねた村人のひとりが、龍を退治しようと言い出しました。それが戸上家の祖先です。」

へえ。祖先。

「龍の暴走に苦しめられた村人たちは、祖先の言葉に乗りました。そして、村人たちの力で、龍を無事、倒すことができました。」

「良かったじゃないですか。」

「こっから!こっからが大事!」

やたら強調するおじいさん。

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