【仮題】鴉の箱庭
柴田 充の片翼
アキは、転入してきて早々に
俺の目を奪った。
艶やかな黒髪に切れ長の鋭利的な眼光
程よく付いた筋肉に左右対称な鎖骨
容姿端麗の上に文武両道。
勿論異性から異常なまでに好意を持たれ、その都度紳士な対応で全てかわしてきた。
そんなところを見ていたせいもあり同室の奴が転校してから代わりに入って来ると言われていたこいつを最初はあまり良く思っていなかった。
どこもかしこも胡散臭いのだ。
見るたび思っていた。
あの夜までは。