Snow Love. ~大好きなキミへ~


サラッと何事もなかったかのように言うから聞き逃すところだったけど、………優くんと相田先輩って幼なじみなの?


……なんだか自分でもよく分からない感情が私の中を渦巻く。


優くんが相田先輩の腕を握っているのが、嫌だ。


相田先輩が、ちょっぴり羨ましい。


───そう思った。


でも、優くんの幼なじみ。


そんなつまらない嫉妬をして、相田先輩とギクシャクするのはもっと嫌だ。


大好きな人の幼なじみにも好かれたい、
って思うのは、私だけなのかな?


「あの……初めまして。陽乃です。よろしくお願いします……」


だから精一杯の笑顔で、相田先輩を見つめた。


少しでもいい印象に思ってもらえるように。


………なのに。


「あ……うん。よろしく」


返ってきた返事は、泣きたくなるくらいに冷たい───心ない声。


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