Snow Love. ~大好きなキミへ~


「……陽乃」


光莉ちゃんがそっと私に歩み寄ってきてくれて、ただ何も言わず、静かに手をぎゅっと握ってくれた。


愛花ちゃんも私に寄り添うようにして、やんわりと背中を撫でてくれた。


ふたりの優しさが、とても心地よかった。


………つらくないって言ったら、嘘になるかな。


やっぱり優くんが百合さんと一緒にいるのを見ると、胸がギュッと痛くなる。


“私のこと見てよ”って、“気付いてよ”って、言ってしまいたくなる。


でも、現実はそんなに甘くはない。


だって優くんが実際に見てるのは、百合さんなんだもん。


優くんの彼女は、百合さん。


それがどうしようもなく悲しいけど、だからって諦められないよ。


好きなんだから。


優くんの全てを私のものにしてしまいたいくらいに、大好きになっちゃったんだから。


───優くんが好き、大好きだよ。


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