Snow Love. ~大好きなキミへ~


最初の頃の“軽い人”という印象は何ヶ月もの年月を経て、“優しくて一途な人”という印象へと変わった。


「……それまでに考えておくね。本当にありがとう……。たくさん想ってくれて」


私がそう伝えると、彼はすごく嬉しそうに笑った。


二重のまぶたをきゅっと細めて、真っ白な歯をにかっとのぞかせて。


「陽乃……大好き!俺、待ってるから」


何回も私に言ってきたくせに、今更橋本くんは照れくさそうに笑う。


そんな彼の姿に、私の頬は自然と緩んで口元には笑みがこぼれた。


優くんにしか鳴ることのなかった私の心臓は、今、別の人に鳴り始めてる。


もうそろそろ、決めなきゃいけないね。


自分が好きなのは誰なのか、自分は誰と一緒にいたいのか。


高校2年生、秋。


私は子供から大人に向かって、確かに歩き始めてるのかもしれない。


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