Snow Love. ~大好きなキミへ~


その翌日。


「ねぇ、聞いて!白瀬がね、朝、おはようって言ってくれたんだよ!もう、本当に嬉しくて嬉しくて……」


登校すると、朝一番に私と光莉ちゃんのもとへきてそう教えてくれた愛花ちゃん。


その横顔はすごくキラキラと輝いていて、喜びに満ちあふれていて。


私は光莉ちゃんと目線を交わらせると、同時に微笑んだ。


愛花ちゃん、よかったね。


ようやく愛花ちゃんの想いがひとつ、報われたみたい。


その事実が自分のことのように嬉しくて、私の心までもが明るくなってくる。


愛花ちゃんの一生懸命な姿を見ていると、私も頑張らなきゃなって思えるんだ。


……だからね、私、頑張ってみようと思う。


ダメかもしれないけど、前みたいには戻れなくなるかもしれないけど。


やってみなきゃ、何も始まらないよね。


大切なのは………今の自分から一歩踏みだす勇気。


過去を振り返るんじゃない。


前を向いて、未来を見て、少しずつでも向きあうの。


目の前の壁を壊した先の世界を知ることはまだ怖いけど、でもきっと大丈夫。


私には、私を支えてくれるたくさんの仲間がいるから。


つらくて苦しかった日々から、もう、逃げないよ。


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