Snow Love. ~大好きなキミへ~


「俺、百合と別れた」

「……うん、知ってるよ」


優くんと百合さんが別れたことは、もうとっくに知ってた。


だって、あんなに有名だった美男美女カップルだもん。


噂はすぐに私の耳にも届いてきた。


「なぁ、陽乃」

「……ん?」

「今から俺が言うことは、全部全部、本当のことだから」


優くんはここまで言うと、目の前で大きく深呼吸をする。


私はごくっと生唾を飲み込んで、次の言葉を静かに待った。


一筋の風が、優くんの髪の毛を無造作に揺らした。


「俺、陽乃のことが好き」

「……っ、え……」

「今さら信じてもらえないかもしれないけど……」


ゆ、うくん……?


今、私は優くんに何を言われたの……?


目の前には、いたって真剣な優くんの顔。


す、き……?


優くんが、私を……?


「う、そだぁ……」


何かの冗談なら、早いうちにバラして。


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