Snow Love. ~大好きなキミへ~


そしてこの日の夜……私と梨乃、それから仕事から帰ってきたお父さんは、病院にいた。


他にも、おばぁちゃんやおじぃちゃん、
私が見たことのあるたくさんの人。


みんな……真っ白な布を顔に被せられたお母さんの横で、泣き崩れていた。


“なんでみんな泣いてるの?”


そんなの分かってたはずなのに、ただただ自分に問いかける。


『お母さん……陽乃だよ?ねぇ起きて?
陽乃、お母さん大好きだよ?』


そう言えば、お母さんが目を覚ますような気がして。


”陽乃、お家に帰ろうね“

“今日のご飯は何がいいかな?”

”お母さん、陽乃が大好きよ”


大好きなお母さんの声や笑顔が頭の中に鮮明に浮かんできて、私はお母さんにしがみついた。


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