助手席にピアス

「ふぅん、そうか。なら僕が真澄に話をつけておくからさ。雛子ちゃん、今度の土曜日、僕とデートしてくれないかな?」

まさに今日、桜田さんと初デートを済ませたばかりなのに、また朔ちゃんからデートに誘われた私って、もしかしたらモテ期到来?

一瞬のうちに、頭の中が花畑になる。

でも朔ちゃんには莉緒さんという、素敵な婚約者がいることを忘れたわけじゃない。

「いいけど……莉緒さんも一緒でしょ? 私、お邪魔じゃない?」

「莉緒は一緒じゃないよ。僕と雛子ちゃんとふたりだけのデート。嫌かな?」

朔ちゃんとふたりきりのデート!?

答えはもちろん、決まっている。

「い、嫌じゃない!」

「だったら決まりだ。そうだな。お昼の十二時に雛子ちゃんの家まで車で迎えに行くよ。いいね?」

「う、うん!」

あっという間にデートをすることになったのも驚いたけれど、私が一番驚いているのは、朔ちゃんとふたりだけでデートをするということ。

これって、もしかして結婚前の浮気? まさか、朔ちゃんに限ってそんなこと、あるはずないでよね?

通話を切るとベッドの上に転がり、朔ちゃんとのデートのことアレコレと考えるのだった。

< 185 / 249 >

この作品をシェア

pagetop