My sweet lover
「大丈夫だ。

俺がそばにいるんだから。

目一杯いい女にしてやるよ」


社長…。


社長って怖いのかな?


怖いと思ってたのに、時々混乱する時がある。


ホントにセクシーな顔だな。


その無駄な色気、私に分けてくれればいいのに。


「おい、お前」


「はい?」


「何、じっと見てんだよ」


「えっ?あ、あぁ。

べ、別に何でもないです。

いつそこをどけてくれるのかなーって、そう思ってただけです」


この状態で話してる意味がわからない。


「それもそうだな」


そう言って、私の上から離れる社長。


まったく…。


こんなところ誰かに見られたら、誤解されちゃうのに。


「お前、明日遅番か?」


「はい」


「朝一で見積もりに行かせるから。

段ボールもらって、荷造り始めておけよ」


「うっ」


ほ、本気なんだ、社長は……。


そんなこんなで。


翌朝、本当に引越し業者が私のアパートにやって来た。


引越し屋さんが、私の部屋を見て驚いていた。


「物少ないんですねー。あ、この自転車はどうします~?市内ですけど」


「あ、乗って行きますので…」


「じゃあ、ホントにかなりお安く出来ますよー」


はぁ…。


実感湧かない…。


親にはしばらく黙っておかないとな。


社長の家に引っ越すなんて、絶対言えないもの…。

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