嗤うケダモノ

部長と副部長は、狭い通路を抜けて外に出て。

にこやかに手招きする由仁を追って、Aくんは立ち上がって。

ヨコタさんの持つ携帯に視線を落とした日向は…


(‥‥‥‥‥あれ?)


なんだか違和感を感じて、顔を上げて。

ん?

なんか… おかしいンだケド。
ナニがおかしいのか、わかンない。

ん? ん? んんん?

結局答えが出ないまま、首を傾げた日向はヤロー共の背中を見送って…


「…
ねェ、こんなカンジかな?」


携帯を弄っていたヨコタさんの声が、ボンヤリと扉を見ていた日向を正気に戻した。

デスヨネー?
ボケてる場合じゃナイよネー?


「もっと砕けた文章でイイと思うケド。
お兄さんなンでショ?」


液晶画面を覗き込んだ日向が、冷静な口調で言った。

一瞬目を見開いたヨコタさんが 笑いを噛み殺すように唇を歪めて、再び携帯に視線を戻す。


「ソレもそうか。

木崎さんて、おもしろいね。」


…ナンデスト?

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