嗤うケダモノ


長い雨が続く季節になった。

空はいつも灰色だし。
靴は濡れるし。
髪は湿気を吸って広がるし…


(憂鬱…)


物憂げに溜め息を吐いてから、日向はオカ研部室のドアを開けた。

足を踏み入れようとして、ピタリと動きを止める。

由仁が、奥にあるデスクの下に小さくなって潜り込んでいたから。
日向を見て、怯えたように身体を揺らしたから。

今度はなんの儀式だ、こりゃ。


「…
ナニやってンすか?」


「ヒナ、閉めてっ
早く閉めてっ」


蹲ったままの由仁が、珍しく慌てた声を上げる。

後ろ手に扉を閉めてから、日向はもう一度問い掛けた。


「ナニやってンすか?」


「隠れてンの。」




ハイ?

丸見えじゃねーかよ。

アホか?
アホなのか?

てか、この年になってかくれんぼ?

こんなに鬱陶しい天気なのに、楽しそうだな、このアホは。

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