嗤うケダモノ
自動的に瑠璃子も。
腕の中の日向も。
三人の女性の、熱い視線を集めた由仁は…
「いつからって…
最初から、なんかオカシーとは思ってたー。」
いつも通り、艶やかに笑った。
「最初からって… どうして?」
「んー…
ハイ、ヒナに質問デース。」
「「は?」」
無視されて顔を顰める瑠璃子の言葉と、突然話を振られて驚く日向の言葉が、見事に重なった。
だが、ソレすらまるっと無視して、マイペース野郎は質問を続ける。
「初めて俺んチに来たとき、どんな人物相関図を思い浮かべましたかー?」
「へ? え…えと…?
杏子さんが先輩のオネーサン?
で、カズヨさんが二人のオカーサン?
みたいな?」
「ハイ、多数決的に正解ー。」
疑問符だらけの答えだったが、由仁は日向の頭を撫でながら頷いた。
てか『多数決的に』って、ナニ?
「俺と杏子さんが親子だって初見で見破った人、いないの。」
首を傾げる三人に、由仁は苦笑混じりに言った。