嗤うケダモノ



『ちょ… 女が股とか…
いや、そんな場合じゃないよね、ハイ
だが…
俺は一部始終を見ていたぞ
おまえは生きたくないのか?
おまえをこんなにした奴が憎くはないのか?』


あのねー…

誰かが誰かを憎んで
いったい誰が幸せになれんの?


『…』


そりゃ私だってね?
悔しいし、悲しいし、ムカついてるわよ

でもそんなの

本当に大切なコトに比べたら
些細なコトだわ


『…
そういうものか』


そーゆーモンよ

さぁ、とっとと助けて

お願いよ


『…いいだろう
だが、上手くいくとは限らないぞ
俺は神じゃない
まだ生まれてもいない命をこの世で生きられ』


じゃ、もーイイ
お疲れ

誰かー
別の人ー

どうか
どうか

願いを聞いて…


『えぇっ?!見限ンの早っ?!
待って、待って
出来ないとは言ってないから
難しい…
ってか、他の助けが必要ってだけだから』



< 493 / 498 >

この作品をシェア

pagetop