病まれても困るわー…

「…あ…う……」


恐怖で足がすくみ、非汗と震え、涙が止まらなかった。
それを見た紀紗ちゃんが彼を見せないように私を抱きしめ、志麻は私と紀紗ちゃんを隠すように手を広げ、前に出た。

檜山…東海道先輩は、私に触れようと手を伸ばしたが、2人に邪魔され、ドス黒いオーラを漂わせてた。


「………俺…今…ひよと、話してんのになぁー……邪魔すんなよ………ひよに触んなよ…殺すよ…?…跡形もなく……消してやるよ…」


右手をバキバキ鳴らせ、今にも志麻と紀紗ちゃんに襲いかかりそうなくらい怒ってる…!

こ、怖いけど…どうしよう…!


と、


「はいストーップ!暴走すんな。春」

「……アキ…」


右手を掴み、東海道先輩を止めたのは、戸山先輩だった。
よかった…2人になんともなくて…

だけど、東海道先輩の怒りはまだ収まらない。


「離せ…」

「バカ。おめぇのためでもあんだぞ?ひよちゃん見ろ。怯えきってんだろーが。好きな女の子おびえさすんじゃねぇ…よっ‼︎」


パンッ‼︎

掴んでいた手を離し、もう片方の手に、持っていたスリッパで気持ちいい音を東海道先輩の頭で鳴らせた。

ひぃ…‼︎そ、そんなことが出来るのはあなたぐらいですよ!戸山先輩っ‼︎


って…え、好…?

放心状態にいる私と東海道先輩。
志麻はポカンと空いた口がふさがらない状態だし、紀紗ちゃんはなぜか不快そうに顔をしかめる。

戸山先輩は、気にせず私に向かって「ゴメンねぇ」とニコニコしながら言った。


「こいつ、好きな女の子は病んでるくらいいじめるのに独占欲は最強に強いやつなんだよね〜。厄介だけどわかってやってね?」


………

私はこの時パニックに陥ったのは言うまでもありません。



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