雪恋

みかがいなくなったというのに時は止まってはくれなかった

みかの体は棺に入れられていた

皆泣きながらお別れを言っていた

あたしは親戚の人の前では極力泣かないようにしていた

でもやっぱり涙はこぼれてしまった

そしてみかの体は焼かれていった

人の死ってこんな簡単に済まされちゃうをだね

あたしの涙は枯れることを知らなかった

「何でゆきじゃなくてみかなの?」

「ゆきが生きてて何でみかが」

親戚の人たちが小声で話してる

あたしに死んで欲しかったの?

確かにみかは明るくて人なっこい性格で親戚の人たちと仲が良かった

あたしはみかとは違っておとなしくて人見知りであまり親戚の人とは仲が良くなかった

でもあたしだって辛いんだよ

皆に置いてかれて

「ゆきなんていらない子なのに」

「ゆきなんていらないからみかを返してよ」
仲が良かったはずの幼なじみの子までが

あたしはいらない子なの?

あたしの方がみかより先に生まれてるのに

みかは必要であたしはいらない?

「なんでみかが」

「何でゆき生きてんの?」

言わないで

これ以上あたしを苦しめないで

あたしだって
誰よりも
悲しくて
辛いんだよ







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