ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。


「よいしょ……っ!」


ビュン、と飛んで、わたしと男の子の間で風船をキャッチ。
間一髪のところで、風船は空に消えずに済んだ。

…すご…。


「ほら、風船」


男の子の前に座り込むと、真大は黒いマントをとって風船を差し出した。
にっこり笑うその笑顔は、ここ何回かわたしにも向けられた笑顔だ。


「あ、ありがとう…」

「これはな、ここを腕に通すと良いんだよ。…ほら、こうやってればもう落ちないだろ?」

「う、うん…」


風船についてた腕を通すための器具を、その男の子の腕にはめる真大。
男の子とそのお母さんが安心しきったような顔を見せたとき、彼はまたにっこりと笑った。


…なに、今の。


「あーったく、小さい子供はいろいろ大変だよな」


戻ってきた真大は、そういってわたしからスタンプとカゴを受け取った。
黒いマントもしっかりと戻して、今まで通りの真大だ。


「風船無くなれば泣くし、母親と離れれば泣くし、衣装はこれが良いってわがまま言うし。なぁ?」

「は!?う、うるさいし!!」


…でも、なんか…。


「………」


なんか、かっこいいって…。

思っちゃったかも、しれない。








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