ひねくれ者が集まって。
「羽月さん。美華ちゃん知ってるのー?」

そう、何で知ってんだ?

コイツは他人に興味がないことで有名なのに。

「あ?日向テメ、野暮なこと聞いてんじゃねーよ。」

言う気は無し、か。

「えー。おしえてよー。」

日向も諦め悪いな。

俺も興味あるけど。

「き・く・な。」

そして、羽月さんは頑固だな。

つーか、こんだけ嫌がる羽月さんも珍しいな。

「はい、ストープ。」

そして、それを止めに入ったのは珍しく葵だった。

「その件は後でじっくりきくとして。羽月ちゃん。コイツ、倒れたんだわ。診てやって。」

あ、そうだった。

本来の目的を忘れそうになった。

いや、忘れかけて居たけど・・・。

「あ?マジか。じゃーそこのベッドに寝かせろ。あと葵。お前のその‘羽月ちゃん’ってのやめろや。」

「えー、何で?可愛くない?羽月ちゃん。」

・・・可愛くねぇよ。

「・・・寝かせた。早く診ろ。」

透は冷静だ。

いつも。

「ああ。」

とりあえず、異常がないことを祈る。

・・・。

少し考えれば、わかることだった。

コイツは何もしていない。

ただ、転校してきただけだ。

なのに。

個人情報を根掘り葉掘り聞き出してしまった。

人には誰しも、言いたくない事のひとつやふたつはある。

それを。

聞き出して。

倒れさせて。

どう考えても今回の非は俺らにある。

だから。

「大丈夫、ちょっと気絶してるだけだ。」

この言葉を聞いて、安心した。

責任とか、そんなんじゃなく。

何故か、良かったと思ったんだ。

~神崎颯side END~
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