【完】白衣とお菓子といたずらと
晃さんの存在も無視して言い争いをしていたけれど、「ぷっ」っという噴出すような音と、その後響いた笑い声に我に返った。


「……なんど聞いても君達のやり取りは飽きないね」


もちろん俺ら以外の人物は、晃さんしかいない。よって、今の笑い声は晃さんしかありえない。


「本当に仲がいいよね、君達2人は」


可笑しい、と言いながら、涙まで流す始末だ。


「「仲良くない」」


悲しいほどまでに、俺と姉ちゃんの言葉が重なった。一言一句違わずに。


「――ハハハハハ、もう止めて。やっぱり仲いいよ。シンクロするくらいなんだから」


晃さんは止めてと言いながら、お腹を押さえている。そんなに笑わなくたって、いいじゃないか。


ムッとしたのは俺だけではなかったらしい。


隣にいた姉ちゃんも全く同じだったらしく、2人とも同時に嫌な顔をした事が、また晃さんの笑いを助長してしまった。


あーあ、俺知らないよ。ここからの行動は姉ちゃんと俺、全く似てないからね。後悔しても遅いから。


それ以上の抵抗を諦めた俺。けれど、案の定姉ちゃんは違った。
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