【完】白衣とお菓子といたずらと
何だ、そっちの覚悟か。


そんなもの最初からあるに決まっている。


確かに、まだ彼女とは具体的な話はしていない。


というか、まだ若い彼女を、すぐに結婚して縛ってはいけないんじゃないかって気持ちが強い。だから、結婚するのはもう少し先の話かなと思っていた。


でも、彼女は俺にその覚悟があるならいつでもいいという。


ということは、

「美沙はすぐにでも結婚していいの?俺は今すぐでも構わないんだけど」


そういう事になるんじゃないかって、彼女の言葉を聞いて思った。


俺は、今すぐにでも美沙を自分のモノにしたいと思っている。


「……」


俺の言葉に美沙はすごく驚いた顔をした。


そして、目にいっぱいの涙を溜め始めた。


……え?俺何か泣かせるようなこと言った?


彼女の涙には弱いのに。


「どうした?美沙、泣かないでよ」


どうすればいいのかと、彼女の涙を自分の指で拭うと、涙は止まるどころか逆にどんどんと溢れてくる。


「……だって、礼央さんが……」


そこで言葉を止めてしまった。それじゃあ、分かんないよ。


「俺が?」


心がけて優しく問いかけると、再び話し始めてくれた。


「礼央さんが、嬉しいこというから。結婚、今すぐでも構わないとか。それが嬉しくて……」


あーあ、どうして彼女はこうも俺を喜ばせることばかりするんだろうか。

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