【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
隆之さんはいつもそう…。
私の気持ちが不安定になっている時は近くにいてくれ、そして気持ちを落ち着かせてくれるのだ。
本当に不思議な人。
「どうした?元気がないな…。何かあったのか?」
「………」
その言葉にはっと、目を瞬いた。
ほんの一言二言私の声を聞いただけで、隆之さんは私が今どんな状態が分かってしまったの?
ほんと…、
隆之さんには隠し事なんて出来ないね---