【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「ねぇ。今、氷見様はあの子を見てなかった?」
「そう?」
「絶対そうよ。あのオタク、何様のつもり?」
時政先輩の笑顔を見て喜んでいる人の他に、私に向かって笑顔を向けた事に気づいた人がいた。
その人達は私を睨みつけながら怒りを露にしていて、ちょっと怖い…。
「…何事だ?」
ノソリ…と頭を起こし辺りを見渡しながら聞いてくる良牙に、なんと答えたらよいものか分からず『さあ?』と答えてしまった。