【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「綾香…ね。時政が女を気に入るなんて滅多にねぇ。お前、どんな手を使ったんだ?」
「…手?」
「鏡夜。そんな言い方をしないで下さい」
芹沢先輩の言葉を遮り、時政先輩は私を庇ってくれた。
どんな手を使った?
そんな事を言われるなんて心外だよ。
ムッとした私は前髪で隠れた瞳を細めて、芹沢先輩を睨みつけた。
…が、すぐに私の表情は唖然とした表情へと変わる。
何で、先輩は私を見て笑っているの?
しかも時政先輩のような柔らかい笑みではなく…、
ドス黒い微笑みだったのだ---