【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
何となく気恥ずかしくなって下を見れば、ティーカップからは湯気が上がっているのが視界に入った。
可愛いティーカップ。
思わず見入ってしまう程のこのティーカップは、白を基調とした明るく華やかなカップだった。
お皿とカップが金色で縁取られ、その縁取り部分から一センチ下まで緑の淡い色で覆われている。
白色の部分にはバラの模様が上品に描かれていて、本当に素敵なカップなのだ。
思わず溜息をつきながらそのティーカップに魅入っていると、ふいに声をかけられた。
「綾香…」
「あっ!はい?」