【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
心地よいこの温もりがなんとも離れがたくする---
こんな感情は、初めてだ。
わたしにとっての女性はただ一人、自分の婚約者。
しかしその者とわたしは対等の付き合いであった為、このような思いを一度たりとも婚約者に抱いたことはなかったから新鮮だ。
あぁ…、
そうか---
今、
気づいてしまった。
これはもしかしたら私にとって、
初恋かもしれない、と---
胸を焦がすようなこの思いが苦しく…、
しかしそれもまた心地よい。