【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「あ、そろそろ行きますね」
「静香殿、失礼致します」
章吾が私についてくる気満々のようだが、婚約者を置いていってもよいのか?
そう疑問に思った私は、一人で行くと言った。
途端、章吾の顔が一変し悲しげな表情へと変わっていく。
「プッ。…章吾様、竹刀は私が戻しておきますからどうぞ行ってらっしゃいまし」
微笑む静香は本当に綺麗で、女の私でも思わず見入ってしまう。
婚約者か…
今のご時世、婚約なんてあるんだ…