【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
【時雨SIDE】
バキッ---
思わず握りつぶしてしまったボールペンを、手の平の上に乗せて見た。
あぁ…、
これはもうダメだなとゴミ箱に捨ててからもう一度章吾を見る。
「章吾、それは本当ですか?」
「はい。靴箱に入っていた上履きや机に嫌がらせをされたようです。制裁されている所はわたしが直に目撃いたしました」
「そうか」
ギリリ…、
と音がなるほど歯をかみ締める。