【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


あぁ、嫌だなぁ…。


重い身体を何とか動かし、長い廊下を歩き始めた。



大分慣れてきた赤い絨毯は相変わらず、靴音をさせない。



そんな廊下を人の波に押されるように、私はゆっくりと歩いていた。




「このまま帰りたい…」


思わず本音をポツリと洩らしてしまった。



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