【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


酷く辛そうな顔だった。


まるで私以上に痛いと言っているように---




「時政先輩?」


「もう…、こんな事はさせないから安心して」


「ありがとうございます。でも、次は大丈夫です」



そう…、


微笑みながらそれでもまだ、私の頬から手が離れない時政先輩を不思議に思っていると---




突然、腕を後ろに引っ張られ身体が傾く。


< 400 / 779 >

この作品をシェア

pagetop