【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「綾香が校庭内で走った直後、消えたのです」
時政殿の言葉にその場が凍りつく。
「綾香様が…、でもなぜ?ってちょっとッ?!」
静香殿が話しているのを遮るかのように、時政殿と鏡夜殿が一斉に走り出した。
それにつられるかのようにわたしも走る。
こんなところでのん気に話している暇があるのならば、綾香殿を探さなくては。
そう思って二人は走り出したのだろう。
わたしも同じ思いで走り出した。