【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「…デケェ」
「蓮、これは何?」
「始めてみた。…オヤジのヤツ、こんなの隠し持ってやがったのかよ」
見上げてみれば三メートルから四メートルは余裕である大きな熊が、見事な暴れっぷりで黒ヒョウと戦っていた。
しかも速さが尋常ではない。
なんとかついて行ってる恢でさえ押されているようで、本当にあの熊は見た目通り化け物だ。
それが証拠にいつもは軽々と戦闘をこなしている恢の表情に、焦りが見えているような気がした。