【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


「良牙、いいかな?」


「俺だってそのつもりだった。姉さんを守るのは弟としての義務だしな」


「ありがとう」



そんな義務、聞いた事ないけど。


ちょっとからかってみようと良牙の顔を覗き込む。



…やっぱりからかうのは止めた。


だって凄く顔を真っ赤にしてるんだもん。



そんな顔されたら、からかえないよね。


顔を背けられたから、テレている良牙の顔はもう見れなくなった。



『姉さんを守るのは弟としての義務』…か。


その言葉を思い出し、鼻がツンとした。



だって今の言葉で、私を血の繋がった兄弟として認めてくれてるって分かったんだもんね。




それからしばらくは章吾を除く、生徒会のバトルが始まった。


しかしその戦いも、誰かのお腹の鳴る音と共に終結を向かえ解散となる。


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