【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「蒼、あけましておめでとうっ!!」
あたしは蒼に飛びついた。
「うわっ!!」
あ、蒼、体調悪かったんだ……
忘れてた……
「ごめん!しんどくない?」
「あぁ。大丈夫だ。」
まだ日の出までは相当早いから、
あたしたちは、近くのベンチに座って話をして時間が経つのを待った。
その間に蒼の顔色は悪くなる一方。
「はぁ……はぁ……」
「蒼、帰ろう!病院に行こう……?」
蒼の顔はだんだんと曇って行く。
「大丈……っ」
パシンッ
痛々しい音が周りに鳴り響いた。