【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「舞衣、勉強はかどってるか?」
「うん、まぁ。」
「なんだ?その微妙な反応。」
「未唯と圭に教えながらだから普通かな!」
今の状況を話した。
「そっか。桜河だっけ?舞衣なら行けるな!」
ポンポンとあたしの頭を撫でてそう言う蒼。
その手は前よりも痩せていたけれど、
冷たいけれど暖かい手の感覚は変わっていなかった。
やば。涙出そう……
あたしの頭から手をどけた蒼が話し出した。
──……「なぁ。俺ほんとに死ぬんかな。」
蒼から出た初めての弱音……