【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
お兄ちゃんには感謝しなくちゃならない。
だから桜河大学には
絶対に何としても行かなくちゃならないから、
順位は落とせない。
そんなプレッシャーがいつもあたしの上をぐるぐるしてる。
「舞衣…?どうした?」
「え?ううん。何にもないよ!!」
だからせめてお兄ちゃんだけには精一杯の笑顔で話さないと。
「無理してないか?舞衣」
だけど…お兄ちゃんはいつも気づく。
そしてあたしの言って欲しい言葉を言ってくれる。
「大丈夫!!平気!!」
1年前からこの言葉は
あたしの家での口癖になっていった。