俺様彼氏と同居生活
「俺が出来ないようにしてやるよ」


慧は自信満々に言った。


「なにを?」


「いいから、来い」



私は慧に腕を引っ張られ、すぐそこまで迫っていた教室に入った。



慧の登場に、みんながいっせいにこっちを見る。


一体慧はなにするの?


そう思っていると慧が話しだした。



「みんな、よく聞け!奈緒は俺のだ。もしも手を出したり、いじめたりしたら俺が許さねえ」



えっ!?


今、俺のって言ったよね!?



こんな、みんなが見てる前で。


…なんてこと言うの?



恥ずかしいじゃん。



私はみんなの視線から逃れるようにうつむいた。


「わかったな?」


ちらっとみんなの方を見ると、みんなうなずいている。


「良かったな、奈緒。んじゃ」


「ちょっと待ってよ!」



足早に教室を出て行った慧を呼びとめようとしたが、次の瞬間に発せられたみんなの声に掻き消されてしまった。


「ショックー!私慧様のこと好きだったのに!」


「私もだよ!奈緒いいな」



私は恥ずかしくて、優ちゃんのところに助けを求めに行った。


しかし、優ちゃんに慧のことを聞かれまくったのは言うまでもない。
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