恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
慶次郎とは一緒に料理したことなんてない。
エプロン姿の慶次郎を想像する。
「どうかした?」
クリッとした目で私の顔を覗き込む。
慶次郎の切れ長の目とは違う。
川北さんは、私のことをどう思っているんだろう。
あんなにたくさんの女性がいる中で、どうして私を誘ってくれたのだろう。
「ここでいい?」
「はい!」
地下に降りていく階段。
ヒールの高い靴を履いた私を気遣ってくれる川北さんは、やはり女性に慣れていると感じた。
「大丈夫?荷物、持つよ」
「大丈夫」
急な階段を下りる。
そっと差し伸べてくれた手。
手袋越しだったけど、数秒だけ手を繋いだ。
ときめいたのか、ときめいていないのか、わからなかった。
ただ、川北さんの長所ばかりが見えて、複雑だった。