恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~

「お見合い、しちゃうんですね」

それ以上言わないで。
もう抑えられなくなるから。

私は、ドキドキを抑えるために深呼吸をした。

この部屋の匂いが好きだ。
落ち着く匂い。
お香か、香水か、ほのかな匂い。


「今から、飲みに行きませんか?」


匂いに酔っていた私の耳に届いた声。

和装カメラマン、野嶋慶次郎に誘われた。
飲みに誘われてしまった。

お見合いなんて、やめちまえ~!

もう、どこまでも慶次郎にのめりこんじゃう~!


< 29 / 331 >

この作品をシェア

pagetop