鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*

私を、心配しないで。

「あのさぁ……未来に1つ聞きたいんだけど、ちゃんと《あの生徒会》に此処にいること知らせてるよな?」

未来はギクッとした顔で苦笑いする。
そして携帯を取り出すと、何処かへ電話をかけた。

「あの……もし、もし?」

未来がおどおどと話すと、

〔未来?!
あなた今どこに……まさかまた男子校に行ってるんじゃ「いますよ。」
ダメです!
今すぐ帰り「ません。」
どうして?!〕

携帯からすごい声が聞こえてきた。
周囲の人が耳を塞ぐくらい。
それに、未来は途中返事をしながら聞いていた。

〔ところで、あなた私に何か言うことがありません?〕

「……ごめんなさい。
でも、私もう欠席の連絡はしちゃったから……今さら行くのもどうなのかな、と思うんですが……。」

〔はぁ。
それで李依菜(リイナ)が納得すると思いますか?〕

「………。」

未来はどう表現したらいいか分からないような複雑な顔で黙りこんだ。

〔ちなみに、李依菜はもうそちらに行きましたよ?
あなたがどうするかは自分で決めればいいけれど、李依菜は連れて帰る気よ。
じゃあね。〕

未来の眉間にも皺が寄る。
皺が寄った顔は、2人ともそっくりで、兄妹なんだなぁと改めて実感させられた。
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