甘い愛で縛りつけて


「先週、自分で言ったんでしょ。……男と女だって」
「本当の事だろ」
「かもしれないけど……」
「ああ、やらしくて嫌だって言ってたっけ」
「それもあるけど……。そんな言い方、なんか寂しい。他人みたい」

ぼそぼそ言うと、恭ちゃんは少し黙った後、はっと顔を歪めて呆れたみたいに笑った。

「他人だろ」

確かにそうだ。
親戚っていうのは嘘だし、血の繋がりがない限り、他人なんだ。
それは本当の事だけど……。

恭ちゃんに言われると、なんでだか突き放されてる気がして、素直に頷けない。

「他人だから不安になって、他人だから……こんなにも縛り付けたくなるんだろうな。
おまけにおまえがそんなだから」
「……どういう意味?」

不思議になって聞くと、恭ちゃんは今浮かべていた寂しいような微笑みを消してイジワルに笑う。

「実紅を縛りたくなるって話」
「縛……っ?! やっぱり変態なんじゃない!」
「今どき縛るくらいアブノーマルでもなんでもねーだろ。期待させたままじゃ悪いし、リクエストに応えとくか」
「私そんな趣味ない!」
「別に俺だって痛がってわんわん泣いてる実紅見て興奮する性癖なんかねーし。それこそ変態だろ」
「だから変態なんじゃない!」

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