意地悪なキミに、スキをあげる。




『ん、ならもう湊はいい』

あたしの頭にすっ、手が伸びてきて

ポンッとしてから、髪の毛の間を指が通った。




「俺も蘭ちゃんよりあおがすきかな」




あたしが頼んでいたプリンを一口奪って、満足気に笑った。




「あたしの…」

「甘っ…」

「だったら食べないで下さいよっ」




そういえば、前に朝陽さんが買ってきてくれた紅茶も

ストレートティーだったな、なんて思い出した。




少しだけ怒りながらプリンを食べて、朝陽さんを見たら

バチッと目があって



チュッて、唇と唇が触れ合った。




「どき…っ」

「………それ、弱いからやめて」




手の甲で口元を隠して、

目を逸らす朝陽さんのツボはなんだかおかしいみたい。



新たな一面を知りました。




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