意地悪なキミに、スキをあげる。




「わかったから…とにかくお前から拭け…」



諦めてくれたみたい。



ちょっと拭いてあとは朝陽さんにタオル渡そう。



朝陽さんだって同じくらい濡れてるもん。



タオルを朝陽さんに渡したら、呆れた顔して拭いてた。



でもやっぱりこんなフェイスタオルじゃ足りなくて…。




「っくしゅん!」


「あっ…寒い、ですよね…」




地下鉄の中で初めて朝陽さんのくしゃみを聞いた。



かわいいとか思ってる場合じゃないんだけど…!



地下鉄の中も暖房きいてるけど、

逆にそれが風になって、濡れた服にあたって寒い。




「まだ止んでねぇな…」


「です、ね…」



尾崎駅を降りてもまだ土砂降り…。



ついてないなぁ…今日…。



< 51 / 309 >

この作品をシェア

pagetop